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1.1 Java Foundation Class

Java の GUI アプリケーション開発のために必要となる基礎基盤である Java Foundation Class と Swing の関係を解説します。

1.1.1 JFC と Swing

本書で学習する Swing とは JFC (Java Foundation Class) と呼ばれる Sun Microsystems が提供する Java 標準クラスライブラリの一部です。JFC が導入されたの JDK 1.2 以降で、JDK 1.1 では拡張ライブラリとして定義されています。

JFC はグラフィカルな環境の Java アプリケーションを構築するための様々な技術をパッケージ化しています。JFC を使えば、スマートに高度なアプリケーションを構築することができるのです。それも、プラットフォームに依存せずにです。

そして JFC がサポートする代表的な機能が Swing なのです。Swing は GUI アプリケーションを Java で開発するための手段であり、ウィンドウやボタンなど GUI アプリケーションに欠かすことのできない部品や機能を提供しています。特に経験豊富な技術者であれば、Swing の高度な設計思想に驚かさせることでしょう。そして、これをサポートする形で Java 2D 描画 API やユーザー補助 API などが JFC に含まれています。

本書執筆時点ではあまり認知されていませんが、JFC 以降の Java クラスライブラリは実行速度を除いてネイティブなシステムの API に劣らない高度な機能を提供しています。イメージの制御やマルチメディアも、現在の Java 標準クラスライブラリは低水準な領域まで操作することが可能です。その一方で、未完成だった時代の名残が、クラスライブラリの仕様であちこち見られることも事実ですが、総合的に Swing を評価すれば、あらゆる開発現場で採用を検討する価値がある、極めて高度なシステムだと推奨することができます。