6.9 セパレータ

セパレータは、コンポーネントとコンポーネントの間を区切るためのコンポーネントです。主に、メニュー項目のグループを分けるための区切り線として利用されますが、通常のコンテナ上で複数のコンポーネントを区切るために使用することもできます。

セパレータを表示するには javax.swing.JSeparator クラスを用います。

java.lang.Object
  |
  +--java.awt.Component
        |
        +--java.awt.Container
              |
              +--javax.swing.JComponent
                    |
                    +--javax.swing.JSeparator

public class JSeparator extends JComponent implements SwingConstants, Accessible

セパレータは入力を受け付けることもなく、表示する内容もコンポーネントサイズに従った区切り線だけなので、JSeparator クラスはいたってシンプルです。セパレータが保有する唯一のプロパティは、区切り線が水平線か垂直線かを表す SwingConstants インタフェースの値だけです。JSeparator クラスのコンストラクタは次の 2 つだけです。

public JSeparator()

public JSeparator(int orientation)

デフォルトのコンストラクタを呼び出した場合は水平のセパレータが生成されます。orientation には SwingConstants.HORIZONTAL または SwingConstants.VERTICAL を指定し、このセパレータが水平線を描画するのか、垂直線を描画するのかを指定します。

この値は setOrientation() メソッドで設定し getOrientation() メソッドから取得することもできます。

public void setOrientation(int orientation)

public int getOrientation()

セパレータはコンポーネントの内容を表示する適切なサイズを持たないため、レイアウトマネージャがコンポーネントが主張する適切なサイズを参照する場合は、JComponent クラスの setPreferredSize() で適切なサイズを指定しなければなりません。レイアウトマネージャの都合でコンポーネントのサイズを決定する場合は不要です。

import java.awt.*;
import javax.swing.*;

public class Test  {
	public static void main(String args[]) {
		JButton button1 = new JButton("Button1");
		JButton button2 = new JButton("Button2");
		JSeparator sep = new JSeparator(SwingConstants.VERTICAL);
		sep.setPreferredSize(new Dimension(5 , 50));

		JFrame win = new JFrame();
		win.setDefaultCloseOperation(JFrame.EXIT_ON_CLOSE);
		win.setBounds(10 , 10 , 400 , 300);

		win.getContentPane().setLayout(new FlowLayout());
		win.getContentPane().add(button1);
		win.getContentPane().add(sep);
		win.getContentPane().add(button2);

		win.show();
	}
}

実行結果

コード1は、垂直のセパレータを生成して 2 つのボタンを区切ります。実行結果のボタンの間に表示されている垂直線がセパレータコンポーネントです。直線のバーに項目を列挙するコンテナなどで利用すると良いでしょう。項目を列挙するコンテナとは、一般的なアプリケーションにおけるメニューバー、ツールバー、ステータスバー、あるいは Mac OS X の Dock のような機能を提供するコンテナが考えられるでしょう。