2.2 パラメータ
2.2.1 値をアプレットに渡す
プログラムをアプリケーションとして起動するときは引数を渡すことができました。アプレットの場合は HTML ドキュメントの一部として起動することが前提となるため main() メソッドから引数を受けることができません。その代わり、HTML の applet 要素の子要素に param を指定することで、起動時に値を渡すことができます。
HTML から引数を渡すのは静的な処理のように思えますが、複数の HTML ドキュメントに再利用して使いまわすようなアプレットを開発したり、スクリプト言語やサーバーの処理で動的に HTML を生成する場合は、アプレットと通信する手段となるでしょう。
アプレットに渡す値はパラメータと呼ばれ、名前と値の組み合わせとなります。
<param name="名前" value="値">
これで、HTML 側からアプレットにデータを渡すことができます。次に、アプレットでこのデータを受け取る必要があります。Java プログラムがこのデータを受け取るには Applet クラスの getParameter() メソッドを使います。
public String getParameter(String name)
name にパラメータの名前を指定すれば、それに対応した値が返ります。パラメータの名前は、大文字と小文字を区別しません。もし、HTML で設定されていない名前が指定された場合は null を返します。
import java.applet.Applet; /*<applet code="Test.class" width="400" height="400"> <param name="text" value="Kitty on your lap"> </applet>*/ public class Test extends Applet { public void init() { String param = getParameter("text"); if (param == null) System.out.println("パラメータ text が設定されていません"); else System.out.println("text = " + param); } }
コード1は text という名前のパラメータを受け取るアプレットです。アプレットビューワに Test.java を読み込ませると、コメント部分の param 要素から text パラメータの値を読み取ります。アプレットは、正しく値を取得できたかどうかを、標準出力に表示します。