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開発準備 

C++ アプリケーションから Kinect を制御するプログラムを開発するために、この場では Visual Studio を使ったビルドのための設定方法を紹介します。

ヘッダとライブラリの設定

Kinect for Windows SDK には C++ で開発するネイティブの Windows アプリケーションのためのヘッダファイルとインポートライブラリである LIB ファイルを含んでいます。これらのファイルをプロジェクトに設定し、適切にリンクさせることで Kinect デバイスの機能にアクセスできます。

Kinect for Windows SDK がインストールされているフォルダは環境変数 %KINECTSDK10_DIR% に設定されています。パスがわからない場合、インストール先(標準で C:\Program Files\Microsoft SDKs\Kinect\v1.0)を直接開けばパスを確認できます。

この Kinect for Windows SDK がインストールされたフォルダ内に、各種ヘッダファイルが配置されている inc フォルダと LIB ファイルが配置されている lib フォルダがあります。これらのフォルダのパスを Visual Studio に設定する必要があるので、覚えておいてください。

まず、この場では最も単純なコンソールアプリケーションを例に設定します。Visual Studio のファイルメニューから「新規作成」→「プロジェクト」を選択し、「新しいプロジェクト」ダイアログボックスを表示してください。左側の「インストールされたテンプレート」リストから「Visual C++」項目を選択し、中央に表示されているリストの「Win32 コンソールアプリケーション」を選択します。プロジェクトの種類が違っても、後述する設定手順は同じです。

図1 Win32 コンソールアプリケーションの新規作成
Win32 コンソールアプリケーションの新規作成

「名前」テキストボックスに任意のプロジェクト名を入力して「OK」ボタンを押してください。

続いて「Win32 アプリケーション ウィザード」ウィンドウが表示されるので、左側の「アプリケーションの設定」ラベルをクリックし、表示された設定項目のうち「追加のオプション」内の「空のプロジェクト」チェックボックスをチェックしてください。物事を単純にするために、ファイルが何もない状態の空のプロジェクトとして作成します。

図2 アプリケーションの設定
Win32 コンソールアプリケーションの新規作成

「完了」ボタンを押してプロジェクトの準備は終了です。

続いて、プロジェクトに Kinect for Windows SDK のヘッダファイルとインポートライブラリの参照設定が必要です。作成されたプロジェクトのプロパティを開いてください。左側のツリーから「構成プロパティ」→「VC++ ディレクトリ」項目を選択します。

図3 ディレクトリの追加
Win32 コンソールアプリケーションの新規作成

ビルド時にコンパイラやリンカが検索するディレクトリを設定できるので「インクルード ディレクトリ」コンボボックスの「<編集...>」項目を選択し、「インクルード ディレクトリの設定」ダイアログボックスで Kinect for Windows SDK のヘッダファイルが配置されているパスを追加します。 

図4 インクルード ディレクトリの設定
Win32 コンソールアプリケーションの新規作成

同様に「ライブラリ ディレクトリ」にインポートライブラリのパスを設定します。 

図5 ライブラリ ディレクトリの設定
Win32 コンソールアプリケーションの新規作成

Kinect for Windows SDK の lib フォルダ内には x86 フォルダと amd64 フォルダがあり、32 ビットでコンパイルする場合は x86 フォルダ内の LIB ファイルを、64 ビットでコンパイルする場合は amd64 フォルダ内の LIB ファイルをリンカに設定します。Visual C++ は既定で x86 コンピュータ用の(32 bit ネイティブ)コンパイラが用いられるため、Kinect for Windows SDK も x86 用の MSRKinectNUI.lib ファイルを使いましょう。

以上の設定が終われば、次に MSRKinectNUI.lib インポートライブラリを隣家に設定します。再びプロジェクトのプロパティに戻って「構成プロパティ」→「リンカー」→「入力」を選択してください。表示された設定項目の「追加の依存ファイル」コンボボックスを開いて「<編集...>」項目を選択してください。

図6 インポートライブラリの設定
Win32 コンソールアプリケーションの新規作成

「追加の依存ファイル」ダイアログボックスが表示されるので、テキストボックス内に Kinect10.lib と入力します。

図7 追加の依存ファイル
Win32 コンソールアプリケーションの新規作成

以上で Kinect for Windows SDK を C++ アプリケーションで利用するための設定は終了です。あとは、実際にコードを書いてビルドするだけです。

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